著名人と家系図の話|一覧
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【松任谷正隆】さんと家系図の話
家系図作成代行センター 渡辺宗貴です。
先日、松任谷正隆さんの番組で、家系図やルーツのお話をさせていただきました。
番組動画はこちら
番組の中では、そもそも行政書士とは何か。なぜ私が家系図の仕事にたどり着いたのか。そして、家系図はなぜ「今」しか作れないのか。このあたりを、かなり踏み込んでお話ししています。
松任谷さんの「家系」の話もしました
今回の収録では、松任谷さんご自身のご家系についても、少し触れました。
松任谷さんは、「自分の家は、どこまで分かるんだろう」という興味を持たれていて、家系図というものが、遠い世界の趣味ではなく、誰にとっても「自分の話」になることを、あらためて感じました。
家系図は、特別な家柄の人だけが作るものではありません。むしろ、普通の家の方が圧倒的に多いです。
その上で、松任谷さんのように、普段から歴史や文化へのアンテナが高い方ほど、「家の物語」にも自然に関心が向くのだと思います。
行政書士って、結局なにをする仕事?
行政書士は、役所の手続きを代わりに行い、報酬をいただく仕事です。
たとえば法人なら、会社設立や許認可。建設業、飲食業など、許可や届出が必要な業種の手続きです。
個人なら、車庫証明など、自分でもできるけれど、やると大変な手続きを代行します。
ざっくり言うと、「役所の手続きを、代わりにやる仕事」です。
ただ、行政書士は専門分野が広いので、「これ一本」ではなく、人によって扱う仕事がかなり違います。
私は、その中でも家系図に特化してきました。
私が行政書士になったきっかけ
実は私は、最初から家系図をやろうとして行政書士になったわけではありません。
試験に合格したのは30歳のときです。
20代は札幌で、正社員で働いたり、フリーターのようになったり、かなりフラフラしていました。
そろそろ結婚も考えないといけない。ちゃんと生活を立て直さないといけない。そう思ったときに、「資格でも取らないと」と考えて、勉強して取ったのが行政書士でした。
そして合格してから、「行政書士って何をする仕事なんだ?」と調べたときに、たまたま見つけたのが家系図の仕事でした。
最初の仕事が、家系図だった理由
行政書士に受かったからといって、仕事が勝手に舞い込むわけではありません。登録しても、仕事はゼロ。営業しないと、何も始まりません。
当時の私は、行政書士だけでは食べていける気がせず、フルタイムの別の仕事もしていました。
その仕事は郵便局です。バイクで郵便配達をしていました。
ただ、郵便局は当時まだ公務員的な「定時で帰れる雰囲気」が残っていて、夕方から時間が取れたんです。
そこで、夕方以降でもできる仕事を考えました。
会社設立や許認可は、経営者に会う必要があるので、どうしても日中に動かないといけません。
内容証明のような仕事も考えましたが、人の揉めごとに入るのが性格的に苦手でした。
そのとき、家系図なら、揉めごとに入らず、夕方以降でもできます。そして、何より、自分でやってみたら面白かった。
だから家系図を選び、まずホームページを作り、家系図を仕事として打ち出しました。
その結果、最初の依頼も家系図でした。そこから20年、ずっと家系図だけです。
戸籍でどこまで遡れるのか
番組でもお話しした大事なポイントです。
戸籍をたどると、江戸末期〜明治初期、約150〜200年前まで遡れます。
平均すると4〜5世代前までです。人によっては6代前まで行けますし、逆に長生きの方がいると3代前で止まることもあります。
私の場合は、父方が5代前、母方が6代前まで判明しました。
そして、これが重要なのですが、戸籍をたどることは、ただの事務手続きではありません。
時間を旅するような体験です。
知らなかった祖父母の名前。知らなかった本籍地。知らなかった土地の空気。
自分の人生が、突然「前に伸びる」感覚になります。
今は、戸籍が取りやすくなっている
今は「広域交付制度」によって、全国の戸籍を最寄りの役所で取れるようになっています。
以前は、各本籍地の役所に請求する必要があり、心理的にも手間的にもハードルが高かったのですが、今は、最初の一歩が踏み出しやすくなりました。
だから私は、「自分でやりたい人は、どんどんやってください」ともお伝えしています。
ただし、ここから先が分かれます。
戸籍だけで終わるのか、物語になるのか
戸籍を取って、「江戸末期の本籍地」までたどり着く。ここまでは、多くの方ができます。
問題は、その次です。
江戸末期の本籍地が分かったとして、その家は、武士だったのか。農家だったのか。町人だったのか。そもそも、その村はどんな場所だったのか。
ここからは、調べ方の順番が決まっています。
私はその「順番」を知っています。だから、そこに付加価値を乗せて報酬をいただく形にしています。
戸籍以上の調査の入口は「地名辞典」
戸籍でたどり着いた本籍地が分かったら、まず地名辞典を見ます。
大きい図書館ならほぼ置いてある、平凡社や角川の地名辞典です。
ここを見ると、その村が江戸時代に農村地だったのか、武家地だったのか、ある程度見えてきます。
農村地なら、次に何が言えるか。
江戸時代は居住制限があったので、農家は勝手に移動できません。藩からすると農家は労働力であり、簡単に出ていかれると困るからです。
だから農村地に戸籍が残っている場合、江戸初期から代々その土地に住んでいた可能性が非常に高いです。
電話帳と統計で、同姓の分布を見る
次にやるのが、電話帳や統計を使った同姓分布の確認です。
同じ苗字がその村に何軒もあるなら、本家があって分家を繰り返し、勢力を広げてきた可能性が高いと考えられます。
その分家の分家が、たまたま北海道に来た。こういう推測が成り立ちます。
つまり、戸籍の情報に、地理と人口の情報を重ねることで、「家の動き」が見えてきます。
さらに深くなると「お手紙調査」
同姓の方へ手紙を出し、家紋、菩提寺、お墓、聞き伝えを尋ねます。
必ず返ってくるわけではありませんが、意外と返信率は高く、3割ほど返ってくることもあります。
そして、全く分からなかったお墓やお寺が、手紙だけで判明するケースも多いです。
もちろん、分からないこともあります。本家が「教えられない」と言うこともありますし、寺の過去帳が焼失していることもあります。
それでも、「ここまで調べて分からなかった」という結果自体が、未来の家族にとっての資産になります。
逆に、1000年前まで一気に見えることもある
たどり着いた村に関して、すでに研究者が調査を残していることがあります。
その村の郷土資料に「この家は清和天皇につながる」「戦国期にこう動いた」とズバッと書かれている。こういうケースもあります。
頻度としては、30〜50件に1件くらいです。決してゼロではありません。
「自分の家の物語が、一気に1000年ぶん増えた」という感覚になります。
なぜ家系図は「今」しか作れないのか
理由はシンプルに言うと、記録と記憶にタイムリミットがあるからです。
まず戸籍です。
戸籍の保存期間は150年。明治19年式戸籍が、まさにその時期に差し掛かっています。
役所によって対応は違いますが、「廃棄を盾に出せない」という時代に入っていく可能性があります。
そして記憶です。
家のことを語れる人が年々減っています。住職が代替わりする。寺が無住化する。過去帳が整理できない、散逸する。
「聞けば分かったのに」が増えていきます。
戸籍と記憶。この2つが同時に薄れていく。だからこそ、家系図は「今」しか作れない。私はそう考えています。
当社の規模と、依頼の実態
ご相談は月300件ほどいただきます。年間では200〜300件ほどご依頼になります。
スタッフは約10名。行政書士ではなく、デスクワークに長けた女性が中心です。
近所の主婦の方、奥さんの友達から始まり、「子ども連れでもOK」「時間は自由」というスタイルで、少しずつ増えていきました。
フルタイムで働けないけれど、能力の高い方が本当にたくさんいる。それを実感したのも、この仕事の大きな学びです。
どんな方が家系図を作るのか
年代は50代が最も多く、次いで40代、60代です。
男性だけでなく、女性も4割ほどいらっしゃいます。
地域は全国ですが、圧倒的に多いのは東京です。
人が集まる場所ほど、ルーツが分からなくなる。移動の多い地域ほど、家の物語が途切れやすい。これは肌感覚としても一致しています。
最後に
家系図は、過去を調べる作業ではありません。
未来に「あなたの生きた証」を残す行為です。
そして、その材料となる戸籍や記憶には、確実に期限が来ています。
「いつかやろう」ではなく、「今やろう」が、いちばん強い選択になる。
番組を通して、そんなことを改めてお話しできたのが、私自身、とても大きな時間でした。
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