
①いくらくらいかかるの?その1
その1 STEP1「家系図の作成(戸籍調査)」A「調査範囲」
その2 STEP1「家系図の作成(戸籍調査)」B「調査内容」
その3 STEP2「家系図の保存」
その4 「戸籍以上の調査」
②どうやってつくるの?
③どのくらい古くまでわかるの?
その1 1,000年さかのぼれた実例
その2 1,000年さかのぼろうと頑張った実例
④先祖の職業などもわかるのでしょうか?
⑤地域が離れていても大丈夫?
⑥できるだけさかのぼりたいんだけど?
⑦どれくらい期間がかるの?
⑧どういう人から依頼が多いの?
⑨どういう理由で家系図を作るの?←このページはコチラになります。
⑩過去帳や親族が作った系図があるときは?
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⑨家系図って、どういう理由で作るの?
・家系図を作るきっかけは「親の死」「子の誕生」「TV番組の影響」など人それぞれ
・ルーツや苗字の由来、先祖の職業など「知りたい気持ち」から調査が始まる
・家系図を通じて「命のつながり」や「家族の物語」に気づく人が多い
こんにちは。家系図作成代行センター株式会社の代表、渡辺と申します。
ふだん、「家系図を作っています」とお伝えすると、さまざまな質問をいただきます。
「いくらくらいかかるの?」「どうやって作るの?」という実務的なことに加えて、もっと根本的な、「なんで作るの?」「皆さん、どういう理由で家系図を作っているの?」という問いもとても多いです。
今回は、この「なぜ家系図を作るのか」というテーマについて、お話してみたいと思います。
– 家系がある程度わかっている方の場合 –
中には、「うちは昔、何々天皇の系統だと聞いたことがある」とか、「親戚が昔に戸籍を集めて、簡単な家系図を作ってくれたことがある」といったように、すでにある程度の情報を持っている方もいらっしゃいます。
そういった方々は、「本当に正しいのか確かめたい」とか、「もっときちんと調べ直したい」「情報をまとめて形にしたい」といった、明確な目的を持ってご依頼されることが多いです。
– そもそもよく分からない、という方も多い –
一方で、「自分の家のことがよくわからなくなってしまっている」という方も、少なくありません。
たとえば、父親の名前はわかっていても、おじいちゃんの名前になるとあいまいになっていたり、曾祖父になると、どこに住んでいたかさえ不明だったりする。そういうふうに、だいたい2〜3代前くらいから情報が薄れているケースです。
実は、私自身もそのひとりでした。
– 私の原点も、「知らないから知りたい」だった –
私は北海道の釧路市出身ですが、家系図の仕事を始めるまでは、自分の祖父の名前さえ「なんとなく覚えている」程度でした。
ところが、試しに自分の家系図を作ってみると、三代、四代、五代前…とつながりがどんどん見えてきたのです。江戸時代のご先祖の名前や、住んでいた地域、親戚同士の関係などが明らかになっていく過程は、想像以上に面白く、心を動かされました。
この体験から、「知らないからこそ知りたくなる」という気持ちが、多くの方に共通しているのではないかと思うようになりました。
– 興味が生まれる“きっかけ”は日常の中に –
人が家系に興味を持つタイミングは、意外と身近な出来事の中にあります。
たとえば、結婚や出産など、家族が増えるライフイベントがあったとき。あるいは、親や祖父母が亡くなったときに、「もっと話を聞いておけばよかった」と思い、ふと家のルーツが気になり始めることもあります。
相続手続きで戸籍を取る必要が出て、そこから「もっと古い戸籍があるのかな?」「もっと調べてみたい」と思う方も多いです。
– メディアを通して生まれる関心 –
最近では、NHKの『ファミリーヒストリー』などのテレビ番組をきっかけに、家系図に興味を持つ方も増えてきました。
この番組は、ごく近しい先祖の足跡を丁寧に辿るもので、「自分の家も何かあるかもしれない」と感じるきっかけになります。また、「苗字ってどういう意味なんだろう?」と感じるようになったという声もよく聞きます。
ふだんはあまり意識しない自分の名字や家紋。その背景に思いを馳せることも、家系図を作る大きな動機のひとつになります。
– 士農工商という過去を知るおもしろさ –
そして、もっとも多い関心のひとつが、江戸時代の身分制度、いわゆる士農工商です。
「うちは武士だったのかな?」「農家だったのかな?」という疑問はとても多く、調査の大きな目的にもなっています。
現在の戸籍には身分は書かれていませんが、実際にはかつて「農」「士族」などの記載がされていた時期がありました。それが昭和以降、差別防止の観点から消されたため、今は空白になっているのです。
ですが、どこの村に住んでいたかがわかれば、その村の歴史を調べることで、おおよその職業や身分が見えてきます。私の家の場合は、どうやら半農半業だったようですし、関わりのあった家が武家地にいたこともわかってきました。
– 作ってみて、見えてくる感謝の気持ち –
家系図を作ることに、明確な「必要性」はないかもしれません。でも、私の場合、なんとなく仕事になるかなという思いで始めたところ、結果的に大きな気づきを得ることができました。
家系図を通して、多くの命のつながりの末に「今の自分」がいることを実感したとき、自然と先祖への感謝の気持ちがわいてきました。
また、人と話すときにも「この人の後ろにも、きっとたくさんの物語がある」と思えるようになり、より丁寧に、優しく接したいと感じるようにもなりました。
– 過去を知ることが、今を生きる力になる –
家系図を作ることは、歴史を学ぶことにも似ていると私は感じています。
たとえば、歴史を学ぶのは、過去の戦争や失敗から教訓を得て、今をよりよく生きていくためですよね。同じように、自分の家の歴史や、先祖の暮らしを知ることが、いまの自分自身を見つめ直すきっかけになることもあります。
先祖が住んでいた村を調べて、その土地の歴史を知り、「こんなふうに生きていたのかな」と想像することは、自分のルーツに触れるだけでなく、人生を深める営みにもつながっていると思います。
– まとめにかえて –
家系図を作る理由や目的は、本当に人それぞれです。けれど共通しているのは、作ってみると「なんだか温かい気持ちになれる」ということかもしれません。
それは、自分の背景にある無数の命とつながる体験であり、過去を知って、いまを丁寧に生きていこうと思える時間でもあります。
もし、少しでも家系図に興味を持たれたら、ぜひその気持ちを大切にしていただけたら嬉しいです。