先祖を知る手がかりは、戸籍だけではありません。
寺院の過去帳や郷土資料、人の記憶など、消えつつある記録と記憶について解説します。
未来へ家族の物語を残す家系図の意味を考えます。
– 1000年たどる家系図の物語③ –
なぜ家系図は今しか作れない②
「消える記録と記憶」
未来へ託す、あなたの家系図物語
– なぜ家系図は今しか作れない② –
消える記録と記憶
まずは講演動画をご覧ください。
この動画では、消えていく先祖の記録と記憶、 そして未来へ家系図を残す意味についてお話ししています。
– 最後に残るのは「人の記憶」 –
昔のことを知る最後の鍵は、「人の記憶」です。
私の手紙に答えて、お寺やお墓を教えてくださった方がいました。
15年ほど前のことですが、その方はすでに90歳を超えておられました。
もしかすると、今同じように調べても、
もうお返事はいただけなかったかもしれません。
記憶というものは、語られなくなった瞬間に消えていきます。
そして、いったん消えてしまった記憶は、もう二度と取り戻すことができません。
– 寺院の過去帳も失われつつある –
そして、お寺の過去帳。
この過去帳も、今、変化の波の中にあります。
住職の代替わりが進み、
「先代が書いた過去帳がどこにあるかわからない」
「古い檀家の記録は整理してしまいました」
そんな声を耳にすることが増えました。
さらに、寺院の統廃合が進み、
地域の古いお寺が無住になってしまうケースも少なくありません。
個人情報保護の影響で、
過去帳を見せていただくことも、少しずつ難しくなりつつあります。
– 郷土資料や歴史資料も変化している –
そしてもう一つ。
危うくなっているのは、記憶だけではありません。
記録のほうも、今、静かに失われつつあります。
個人情報保護の解釈がさらに厳しくなれば、
先祖の名前が載った郷土資料にも、将来、閲覧制限がかかるかもしれません。
たとえば、私の先祖の妻方の遠い親戚に、
秋田県の御指南町に住んでいた齋藤利成さんという方がいました。
この方は、明治時代の記録に名前が載っていました。
役所の書記だったようです。
直接、家系を大きく遡るような記録ではありませんが、
先祖の足跡にふれられたようで、うれしい発見でした。
ですが、このような明治時代の記録も、
いつまで見られるのかはわかりません。
すでに国立国会図書館でも、
一部資料には閲覧や複写の制限があります。
– 家系図は「今」が最後のチャンス –
先祖の足跡に直接ふれられるのは、
もしかすると、私たちの世代が最後かもしれません。
だからこそ、「今」こそが、家系図を作る唯一のチャンスなのです。
過去を知る人が、まだ生きている。
明治の戸籍も、まだ手に入る。
菩提寺や地域の古老も、まだ話を聞かせてくれる。
それが、今です。
10年後、20年後には、もう難しくなっているかもしれません。
家系図を作るというのは、
私たちの手で、記録と記憶を未来に託すことなのだと思います。
では最後に、その「未来」へ視点を移します。
– 未来へ託す、あなたの家系図物語 –
– これからの時代と家族のかたち –
今、世の中では、夫婦別姓など、
家や苗字のあり方についての議論も進んでいます。
夫婦や兄弟姉妹で苗字が違う時代が、
これから当たり前になっていくかもしれません。
昔のように「家を継ぐ」「本家・分家」といった感覚は、
良くも悪くも薄れつつあります。
苗字への愛着も、
「家」という単位への意識も、
少しずつ変わってきています。
– 今残すことが未来への鍵になる –
でも、だからこそ、今、作っておけば大丈夫なんです。
これからの子孫が最も調べにくくなるのは、
まさに今の時代から江戸末期までの150年です。
戸籍という制度が始まってからの、このわずかな期間が、
未来の家族が家系を知るための鍵になります。
そしてできれば、戸籍だけでなく、
口伝、墓石、菩提寺。
こうしたものも、今のうちに記録しておきたいのです。
– デジタル時代の家系図 –
これからは、デジタルが残る時代です。
私たちの写真は子どもたちのスマホに残り、
声は動画に残り、
言葉はSNSやブログに残ります。
この講演だって、きっとYouTubeに残るでしょう。
マイナンバーなどの公的データと連動すれば、
将来は先祖をたどりやすくなる可能性もあります。
きっと、千年後の子孫は、私たちを見つけてくれる。
私たちの世代が残すデータが、未来の系譜をつないでいくんです。
そう考えると、家系図とは、過去をたどる作業ではなく、
未来を信じて残す行為なのだと思います。
最後に、ひとこと。
家系図は、過去をたどる旅であり、
未来をつなぐ行為です。
私の著書『千年たどる家系図物語』では、
その想いを物語の形で描きました。
Amazonでもご購入いただけますし、
大きな書店の人文歴史、日本史コーナーにも置かれています。
ぜひ手に取ってみてください。
また、自分で作ってみたいという方には、
『わたしの家系図物語』もあります。
戸籍のたどり方から、その先の調査まで、ひと通り書いてあります。
参考にしていただけたらうれしいです。
どうか皆さんも、
「今」というこの瞬間に、
ご自身の物語を未来へつないでください。
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