家系図業界の裏話⑥(最終話)
家系図業界を見てきて私たちが大切にしていること
ここまで私見や偏見も交えながら、家系図業界のことをいろいろ書いてきました。
では、当社自身はどうなのか。
最後に、当社自身がどうありたいと思っているのか。
その弱点も含めて、今考えていることを正直にお話ししておきたいと思います。
まず、当社にも当然ながら弱点があります。
そして、その中でも一番大きいのは「納期」です。
① 納期
現在、当社では納品までかなり時間をいただいています。
もし1人のお客様の案件だけに集中できるとすれば、まず戸籍収集に4〜6ヶ月ほどかかります。これは役所の対応や郵送期間など、どうしても外部要因の影響を受けるためです。
- 戸籍収集 4〜6ヶ月(役所の対応など外部要因による)
その後すぐに家系図作成と報告書作成に取り掛かることができれば、全体としては6〜8ヶ月ほどで納品することも可能です。
しかし実際には、多くのお客様にご利用いただいているため、家系図作成や報告書作成の工程が順番待ちになることが多く、納品まで10〜12ヶ月ほどかかるケースも少なくありません。
家系図作成では、30〜50通ほどの戸籍を一通ずつ隅々まで確認します。
戸籍は一見すると似たような書類に見えますが、細かく読んでいくと多くの情報が含まれており、1通ずつ丁寧に確認する必要があります。戸籍の中には、家族関係の変化や移動の記録など、後の調査につながる重要な手がかりが数多く含まれているためです。
さらに報告書作成では、戸籍の情報だけでなく、さまざまな資料も照合しています。
たとえば、
- 『地名辞典』
地域史や地名の由来を調べるための資料 - 『苗字辞典・人名録』
姓の分布や歴史上の人物を確認する資料 - 『姓氏家系辞典』
氏族の来歴や系譜の研究書 - 『家紋辞典』
家紋の由来や使用例を確認する資料 - 『電話帳リスト』
同姓世帯の現在の分布を確認する資料
こうした資料を一家ずつ照合しながら、報告書を作成していきます。
家系図の調査というものは、単に戸籍を集めて図にするだけではありません。その家族が暮らしてきた地域や時代背景、苗字の由来などを調べながら、できるだけ立体的に先祖の姿を描いていく作業でもあります。
そのため、どうしても一定の時間が必要になります。
とはいえ、お客様を長くお待たせしていることも事実です。
現在は
- 業務の効率化
- お受けする件数の調整
などを行いながら、少しでも改善できるよう取り組んでいます。
DX(デジタル化)について
また、業務のDX化についてもまだまだ改善の余地があると考えています。
例えば、AIチャットを利用して24時間質問に対応する仕組みや、調査状況の共有、資料管理の効率化など、技術を活用すればお客様の利便性を高めることができる部分は多くあります。
家系図調査はどうしても人の目による確認が必要な仕事ではありますが、それ以外の部分についてはデジタル技術を活用することで、よりスムーズなサービス提供が可能になると考えています。
まだまだ改善できることは多く、これから少しずつ取り組んでいきたいと考えています。
② SNS発信
もう一つ、もっと力を入れなければならないのが情報発信です。
書籍の出版やメディア出演などは行っていますが、SNSでの発信はまだまだ十分とは言えないと思っています。
現在はX(旧Twitter)で
- 書籍の情報
- メディア出演
- 日々の活動
などを発信しています。
ただ、
- TikTok
などのSNSにはまだ手を付けられていません。
YouTubeやブログについても、家系図のこと、先祖調査のこと、この仕事の面白さなど、まだまだお伝えできることはたくさんあると感じています。
これから少しずつではありますが、発信も増やしていきたいと考えています。
特に、戸籍の保管期限や文献資料、そして人の記憶が消えていくことは、あまり知られていませんが、実はとても重要で深刻な問題です。
その中でも、特に知っていただきたいのが「戸籍の保管期限」です。
このことを多くの方に知っていただくことを、当社の一つの大きな目的にしたいと思っています。
一人でも多くの方に家系図というものを知っていただくこと。
ご先祖様の戸籍が全国の役所に眠っていること。
そして、その戸籍は子孫であれば取得できるということ。
日本国民であれば、戸籍をさかのぼることで
江戸末期〜明治初期、約150〜200年前まで、
世代にして平均4〜5世代たどることができます。
自分で調べて家系図を作ることもできます。
当社のような業者に依頼するという方法もあります。
しかし、この戸籍も永久に保存されるわけではありません。
そして、今残っているご先祖様の戸籍を、今のうちに取得しておくこと。
それが、家系図作成代行センターの目的です。
著書と今後の展開(漫画化・映画化など)
当社ではこれまでに『わたしの家系図物語(ヒストリエ)』、 そして小説作品である『千年たどる家系図物語(ヒストリエ)』を出版してきました。
家系図というと、どうしても「調査」や「資料」という堅いイメージを持たれることが多いのですが、本来そこには一つ一つの家族の物語があります。
先祖の人生や地域の歴史をたどっていくと、まるで小説のような出来事が次々と見えてきます。
そうした家族の物語を、もっと多くの方に知っていただくために、今後は漫画化、アニメ化、さらには映画化といった形で広げていくことも目標の一つです。
家系図は一部の研究者や歴史好きのものではなく、すべての人の人生につながるテーマです。
家族の歴史を知ることが、少しでも人生を豊かにするきっかけになれば嬉しいと思っています。
おわりに
最近、会社の「終わり方」についても少しずつ考えるようになりました。
会社というものは、いつか必ず終わるものでもあります。
だからこそ、そのときに「良い仕事をしてきた」と胸を張って言える会社でありたいと思っています。
2025年、スタッフと話し合いをしました。
当社はこれから15年間、誠実にこの仕事を続けていこうと決めました。
スタッフの最年少の子は、いま7歳です。
その子が大学を卒業する頃まで、次の世代に胸を張れる仕事を積み重ねていきたいと思っています。
ですので、会社としては2040年ごろを一つの区切りにしようと考えています。
遅くとも2038年から2039年頃には新規のご依頼の受け方を調整し、これまでのお客様へのアフターフォローの形もきちんと定めていく予定です。
納品後にご相談いただいたとき、
「もう廃業していて連絡が取れない」
というような状態にはしたくありません。
最後まで責任を持って、この仕事を続けたいと思っています。
追伸
そのためには、まず健康でいないといけないなと思っています。
週に2回フットサルをしています。
夏には外でサッカーもします。
毎日、犬の散歩にも行きます。
体だけではなく、心も元気でいられるように。
バンド活動も続けていますし、お酒も飲みます。
ときにはタバコも我慢しません。
少なくとも2040年までは、健康でいるつもりです。
そのころ、娘たちは30歳前後かぁ……
どうなっているんだろう。
ときに家系図は、千年の時をさかのぼることもあります。
人の一生は短いかもしれません。
それでも家系図は、何百年という時間の中で続いていきます。
その長い時間の流れの中の、
ほんの一部分を、
私たちは今、生きているのだと思います。
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